2017年09月08日 10:00

スバル サンバーバン TV1型 エアコン修理

カテゴリ:修理
朝もめっきり涼しくなってきました。今年の夏も暑かった~。当工場内では扇風機を回してしのいでるのですが、
仕事中、作業着もシャツも汗でびしょびしょになります。

夏の車のトラブルといえばエアコン。
今回、スバル サンバーバン 走行距離172千㌔のこの車もエアコンの効きが悪いとの事で入庫しました。
冷える時もあるとのお客様のお話です。エアコンが何故冷えるのか?
エアコンは気化熱の仕組みを使っています。例えば汗をかいて、
汗がひいてくる(乾いてくると)と涼しく感じるかと思います。これは汗が蒸発する際に周辺の熱を奪っていくからなのです。
液体が気体に変化するときにはエネルギー(潜熱)が必要で、そのエネルギーを周辺から奪う(吸熱する)のです。
もちろん気体が液体に変わるときには逆に熱を周辺に放出(発熱)します。

マニホールドゲージを繋げて低圧と高圧側の圧力を見ましたがほぼ異常無し。
エアコンガスが抜けてる訳では無いようです。圧力差も問題ない事からコンプレッサー、エクスパンション・バルブも
トラブル候補とは言えないでしょう。
車の下回りを覗いて


熱を周辺に放出(発熱)する場所、コンデンサーを見ます。家庭用エアコンで言うと室外機ですね。
車の場合、ラジエーターとコンデンサーがサンドイッチになってる場合が多いです。
このサンバーバンは運転席と助手席の下に付いていて下からしか見えません。
ファンが二つ付いていて両方とも回ってます。左がコンデンサーファン。右がラジエーターファン。
コンデンサーに風を通して放熱させているのはコンデンサーファン+ラジエーターファン。
エアコンOFF時のエンジン冷却はラジエーターファンのみの作動。
コンデンサーが汚れていても冷えは悪くなるのでスチーム洗浄機で洗ってみましたがダメ。
うーんと再度、下から覗いて悩んでるとラジエーターファンの回りがおかしい事に気が付きました。
ファンモーターのお尻を点検ハンマーで叩いてやると前よりも勢い良く回ります。
これか!時々冷えるというお客様からの情報とも合います。つまり走行中スピードを上げると
コンデンサーに当たる風も強くなるので不安定な回転をするファンでも
なんとか冷えてたという事でしょう。夏場エアコンを入れてれば、コンデンサーファンは
回るのでオーバーヒートも防げたのかな?

ファンモーターを取り換えるのですが、この車は少々厄介でw
ファン・シュラウドごと取り外すのですがこのシュラウドを止めてるネジが見えないw
コンデンサー側のシュラウドを外すのに先ず助手席下のサービスホールから工具を入れて・・・



奥のネジ、ラチェットの振り子スペースも確保出来ないのですが、実はこのラチェット、新兵器で
柄の軸を回すと先端のボックスが回転するという優れもの!あって良かったPROXXONラチェットw

難なく(あったけど)交換終了。さてエアコンON・・・・・。まだ今一冷えが悪い・・・・。
修理完了ならず!

今度は運転席で悩んでるとどうも風の出が悪い様です。
ブロアモーターか?いや音は正常だし。エバポレーター?いや何年前かこの車、エバポレーター漏れの
修理をしてる・・・。
エバポレーターというのは「そのエネルギー(熱)を周辺から奪う(吸熱する)」役割をする部品です。
もしやと思い、取り外してみると


写真中央、配管が繋がってる奥がエバポレーターの取り付け場所




すごい汚れてる・・・・。
これでは風も通らず、吸熱もしずらかったでしょう。エアコンクリーナーとエアブロウで掃除して
組み付け。再度テスト・・・・。ようやく冷える様になりました。良かったー。

今の車はエバポレーターの手前にエアコンフィルターが付いてエバポ本体が汚れるのを
防いでいますがこの車は付いていません。だからこれだけ汚れるんですね。
今回はトラブル原因が複合したケースでした。


  


Posted by yahagi-ohagi │コメント(0)